アダストリアとカフェカンの新会社、何をする?

2016/12/01 06:30 更新


 アダストリアとカフェ・カンパニーの新会社、ピープルズインクは、ファッションと飲食の融合をはじめとした、さまざまな業態開発を進める。細分化する人々のライフスタイルに対応することで、新しいビジネスの創造を目指す。11月29日にはディベロッパーなど関係者を招き、新会社設立パーティーも開いた。

 ピープルズインクは11月1日設立。資本金は1000万円で、出資比率はカフェ・カンパニー66%、アダストリア34%。楠本修二郎カフェ・カンパニー社長が新会社の代表取締役社長を、木村治アダストリア常務取締役が取締役副社長を務める。

 ピープルズインクには、カフェ・カンパニーの主力事業「ワイアードカフェ」「ワイアードキッチン」などを移管しており、これらの拡大・進化のほか、アダストリアの所有するマルチブランドと飲食の融合、海外の飲食の誘致など、さまざまな事業を行っていく予定。アパレル、飲食の枠にとどまることなく、「さまざまな掛け算をする」(木村氏)ことで、新しいカルチャーを生み出す。例えば、カフェの隣にヨガ教室があって、さらにヨガウェアも販売したり、あるいは40、50、60代に向けた新しいカフェといったイメージでビジネスを広げていく。

 楠本氏も、「カフェ・カンパニー自体、業態開発は得意。アダストリアと連動しながら、ディベロッパーに対しても多様な業態提案ができるのでは」と話す。具体的な新事業の発表はまだこれからだが、「今はお茶、サンドイッチ、和などに興味がある」という。

 カフェ・カンパニーが掲げる「生き生きとしたコミュニティー型社会の実現」も、新会社の方向性の一つとなる。アダストリアの福田三千男代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)は、水戸でカジュアルショップを始めた当時を振り返り、「単に物を売るだけではなく、地域に根差した、人々が集まる場はとても大切」と強調する。ピープルズインクは、共通点も異質な部分も持つ両社の交流を通じて、「面白いものができるのでは」と期待する。

 また、ファッション小売業の社会的地位がここ数十年で改善されたように、飲食ビジネスの水準やそこに関わる人々の地位を引き上げることにも取り組む。

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29日には設立パーティーを開いた(左から福田氏、楠本氏、木村氏)


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