アダストリアと新静岡セノバ(静岡市、静鉄プロパティマネジメント運営)は7月8日、静岡市内で「ささえあう働く時間プロジェクト」の経過報告会を行った。全国のディベロッパーを中心に、テナント企業や業界団体がオンラインも含めて約110人が参加、木村治アダストリア社長は「想定より多い参加で驚いている。潮目が変わってきている」と、業界の関心の高さがうかがえた。
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同プロジェクトは商業施設で働くショップスタッフのサステイナブル(持続可能)な働き方の実現を目指したもので、福田三千男アダストリア会長の販売員や働き方への思いに共鳴した新静岡セノバと5月1日から取り組んでいる。内容は①営業時間フレックスタイム制度②年間最大2日を取得できるパワーチャージ休暇制度③一部ゾーンの営業時間短縮で、5月の1カ月間の売り上げ状況、テナントや客の反応などを参加した企業に詳細に報告した。
参加企業からの質問では、売り上げ推移や客の反応についてが多かった。一部ショップの営業時間短縮などの告知は「まだまだ周知が徹底できてない点もあるが、クレームなどの混乱はない」(佐藤壽康静鉄プロパティマネジメント常務)。売り上げ状況は「関心が高いのは理解するが、目先のことではなく、5年や10年後に評価されるような取り組み。このままではスタッフが揃わず、店舗運営ができなくなる危機感がある」(木村アダストリア社長)と話した。小坂征広静鉄プロパティマネジメント社長も「地域から愛され、テナントから選ばれる施設になる」ための取り組みと強調した。