ACDCデザイナーが開く、“中国で見て、感じた”写真展

2018/11/30 06:25 更新


 東京の原宿・竹下通りで4店を運営するエーシーディシー(東京)の土居麟馬デザイナーは東京・神南で、個展「私の中国──我的中国」を開いている。中国でオリジナルブランド「ACDCラグ」を生産しており、「海外でのより良い生産や販売には、現地の人たちの気持ちや文化を知り、理解することが重要と感じた。リアルな服作りの舞台裏を見てもらい、少しでも役に立ててれば」(土居デザイナー)との思いで企画した。入場無料で、12月2日まで。

 同展では、アパレルの仕事を通して中国で出会った人たちや光景、工場などを写真に収めた約150枚を展示している。会場は縁起物の灯篭(とうろう)が天井を覆い、旧正月の飾り付けなどで現地の雰囲気を演出し、中国茶のウェルカムドリンクで出迎えている。

 同社は直営店のほかに通販サイト6店、米国をメインとした海外約30店への卸事業を展開。主な対象は国内が中高生男女、海外が20~30代男女で、原色ポップやパステル系、パンクロックやゴスロリなどのウェアや雑貨を提案している。低価格も特徴の一つだが、「中国生産は人件費と原材料の高騰で原価率が上がり、悩みのタネだった」。

 土居さんは16年から月1回のペースで中国の工場に行き、企画の打ち合わせや生産方法についてやり取りを重ね、「現地の人たちとじっくり会話し、相手を理解する」ことで課題をクリアした。現在、コストや物流のスピードなどは以前と比べて無駄なく生産できている。また、生地や小物市場での商談なども行っており、そうした様々な体験や感情に出会った場面を撮影し「中国への見方が変わり、少しでも異文化理解につながって欲しい」と話す。

月1回のペースで訪れる中国を様々な角度から撮影
服作りを通して現地の人たちとコミュニケーションを取る


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