環境への負荷を抑える数々の施策を打ち出す日清紡テキスタイル。優れた快適機能を備える次世代の商品開発や、染色排水の再利用、綿の無水染色といった環境負荷を抑える生産工程、綿シャツを再びシャツにする取り組みなど資源循環に向けたプラットフォームの構築にも着手。循環型経済の実現に向けて『サステイナビリティ経営』を強力に推進している。
アポロコットの機能を拡充
日清紡テキスタイルは「環境・エネルギーカンパニー」を標榜する日清紡グループで繊維事業の中核を担う。「環境」「健康」「快適」をキーワードに高機能商品を次々と打ち出してきた。象徴的な商品は、『ノーアイロン』をうたう綿100%の形態安定加工シャツ「アポロコット」だ。
防汚、制菌、ストレッチ、ノンホルムアルデヒドといった特徴を持つ商品も加わり、シリーズを拡充。現在、さらにレベルの高い防汚、冷感、透け防止の商品開発を進め、「消費者が機能を実感できるように」を目指す。
綿シャツを再びシャツに企業間連携も視野に取り組みを発展
「今年中にはなんとしてもシャツという形にしたい」と意気込むのが、「シャツ再生プロジェクト」。廃棄される綿製品を溶解、紡糸して再び衣料などの製品に利用するプラットフォームの構築に向けて力を注いでいる。22年にNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の先導研究プログラムに採択され、信州大学等と共同開発中。3月末には吉野川事業所(徳島県吉野川市)にパイロットプラントを導入し、量産に向けた検証を進めている。年内にシャツを作るところまで進め、循環プラットフォームを対外的に示し、量産化に結び付けていきたい考えだ。
次の段階では、タオルやシーツなどシャツ以外の綿100%商品における再資源化、綿・ポリエステル混商品の再資源化も検討していく。企業間連携も視野に、より最適な仕組みを探りながら、資源循環プラットフォームの発展を目指していく。
「モビロン」を生かす新素材 熱融着コンジュゲート糸を開発
スパンデックス「モビロン」ではパンストの製品回収による「リサイクルモビロン」や、バイオマス原料を用いた「バイオマスモビロン」など選択肢を増やしている。新たに熱融着のコンジュゲート糸も開発中。「モビロン」が中心、周りにナイロンの芯鞘構造や、サイドバイサイド構造等のストレッチ糸だ。従来は「モビロン」に他繊維をカバリングした糸が使われてきた。カバリング工程が減るため省エネルギーも訴求でき、代替需要を狙う。
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