ニッセンケン品質評価センターは1948年12月に財団法人織物染色検査協会として設立し、12年一般財団法人へ移行、ニッセンケン品質評価センターに改称し、今年75周年を迎える。駒田展大理事長は「2000年のエコテックス®国際共同体加盟が最大の転換点となった」と振り返る。繊維製品の安全性を証明する国際規格の認証機関であるアドバンテージを活かし、今後も進化を続ける。
分析の世界拓いたエコテックス®強みに
00年アジア地域で唯一となるエコテックス®国際共同体への加盟、続く01年の業界要請を受けての海外(中国)進出が、事業の在り方を大きく変える契機となりました。それまで物性や染色堅牢度等の一般試験が中心だったメニューに有害化学物質等の分析試験が、また国内事業に海外事業が加わり、分野・エリアとも新たな世界を拓くことができました。
一方、バブル期に競合激化の下で進んだ検査機関の値下げ合戦や、アパレル製品の過剰生産・在庫の問題を受けての生産抑制が収益にも大きく影響を及ぼし始めたのを受け、企業体制の強化にも着手しました。
しかし、突然のコロナ禍でビジネス環境は激変。生き残るために、強みであるエコテックス®事業や社会のニーズに沿う形で成長を遂げた抗菌・抗ウイルス試験等のバイオケミカル事業を推進するとともに、経費や働き方を見直し、利益体質への転換に取り組みました。
労働組合と話し合い、スタッフとも協力して「価格はコストに見合うか」「この仕事は社会から要請されているものか」と各試験・検査の見直しや予実管理など見える化を進め、さらに多様な働き方・個人の成長に合わせた人事評価システム等の整備を実現したことで、結果的にスタッフのライフステージに合わせた働き方の選択肢も用意できました。そしてコロナ後もさらに良い方向へ進めようという活動も始まりました。
業界・社会のニーズに応え続ける
コロナ禍で抗菌・抗ウイルス等の「安全・安心分野」がクローズアップされたように、世の中のニーズは常に変化します。その変化に応えることで、我々の業容も変化・拡充してきました。今後も間違いなく変わっていくでしょう。業界・社会のニーズを的確に捉え、真に求められるものは何なのかを見極め、絞り込んで対応していくことが必要です。
足元を見ると、エコテックス®の認証件数は着実に増えています。SDGs対応を検討する企業、また円安進行の下、海外に販路を求める企業が繊維製品の国際的な安全基準であるエコテックス®を求めているのです。今後はエコテックス®、抗菌・抗ウイルス検査等のバイオケミカル分野、化粧品や医薬部外品の検査を中心とする香粧品分析を合わせたライフ&ヘルス(L&H)事業を、エコテックス®で培った分析力を活かし一層強化していきます。
変化への対応は柔軟に、意思は強く
「社会から求められる検査業務を行う」という軸は変えることなく社会に貢献しなければ、我々の存在意義はありませんし、求められる内容が変化していく中、その変化に対応できる体制作りを強化するほか、我々の生き残る道はありません。
コロナ禍を経て、変化に柔軟に対応する力と意思が確実に定着しました。こうした経験を活かし、ニッセンケンはこれからも進化していきます。
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