パンデミックはファッション業界をスローダウンさせたが、若い才能の芽を摘み取ることはできなかった。21~22年秋冬コレクションでも若手デザイナーたちの動向が気になった。コンテンポラリーやハイストリートなど、マスに向けたブランドが苦戦する中、ビジネスの規模が小さくファンやフォロワーの多い若手は安定感を見せている。
(ライター・益井祐)
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若手デザイナーといえばロンドン。新人の登竜門ファッション・イーストでは、5人の注目株がコレクションを発表した。マキシミリアン・デイヴィスによる「マキシミリアン」は、海女のようにも見えるゴーグルやスカートをボディースーツにのせた。ボディータイトなジャンプスーツのユーネックは胸元が大きく開き、ベルトや袖の赤がポイントとなった。黒人女性に見る60年代や70年代前半のクチュール、祖母がかつて日曜日に着ていた一丁羅が着想源となったレトロスタイル。