【ミラノ=小笠原拓郎】20年春夏ミラノ・メンズコレクションは、鮮やかな色柄で見せるスタイルが広がった。バロック模様やトロピカル柄、タイダイ、鮮やかな色と柄をさまざまなアイテムにのせていく。
(写真=ヴェルサーチェは大原広和、ドルチェ&ガッバーナはブランド提供)
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ヴェルサーチェのショー会場には、鮮やかなピンクの花をまとった黒いスポーツカーのオブジェが置かれている。その車を囲むようにして、ピンクのプレキシグラスのランウェーが作られている。
ショーは、90年代を代表するデジタルロックバンド、プロディジーの轟音(ごうおん)とともに始まった。テーラードスタイル、バイカースタイル、ヘアカーフのレパード柄、アーカイブのロココ風プリント、ヴェルサーチェらしいアイコニックなスタイルが勢ぞろい。
テーラードは黒とグレンチェックが半身で切り替えられ左右非対称になり、スーツの上にバイカーベストを着て変化をつくる。バイカージャケットは袖やバックに長いフリンジ飾り、ヘアカーフのレパードは黒いエナメルのソリッド感と合わせてコントラストを描く。
鮮やかな色に染められたモデルたちのヘアメイクは、今年3月に急逝したプロディジーのダンサー、キース・フリントを思わせる。ローマの神、バッカスを表したアーカイブプリントは、芸術家のアンディ・ディクソンの手染めによるもの。ディクソンの作品からは、ほかに花瓶とレーシングカーのモチーフも取り入れられた。

ドルチェ&ガッバーナは「シシリアントロピカル」をテーマに柄いっぱいのコレクションを見せた。シチリアのバロックの華やかさと、トロピカルテイストと50年代の雰囲気をミックスした。
ショー会場にはレパード柄のランウェーとジャングルのような草木が生い茂ったステージ。そこに登場するのはフラワー、アニマル、ピンナップガール、バナナやビンテージカーなどの柄いっぱいのスタイルだ。
サファリスタイルのジャケットやパンツに50年代のピンナップガールのプリントを飾り、シャツやセットアップに鮮やかなオウムや草花の柄が躍る。ドルチェ&ガッバーナのアイコンともいえるレパードやドットが、トロピカルな柄と混ざり合う。シチリアのタイルを思い出させるバロック柄もトロピカルな柄と組み合わせる。そこに、ぜいたくなゴールド刺繍のアイテムが差し込まれる。

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