【パリ=小笠原拓郎】20~21年秋冬パリ・メンズコレクションは、男性らしさを巡るデザイナーの価値観が問われるシーズンとなった。新たにロンドンからクレイグ・グリーンが発表の場を移すなど、いくつかの新顔が期待を集めてショーをした一方で、ウィメンズの時期にメンズのショーを移すブランドも新たに生まれた。日程を振り返ると、日本から進出したデザイナーの割合が他の国に比べると圧倒的に多いことに気付かされる。それは日本の市場の持つポテンシャルではあるのだが、海外での評価は様々だ。
(写真=大原広和)
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パリ・メンズコレクションにクレイグ・グリーンがデビューした。これまでロンドン・メンズをけん引してきたグリーンが満を持してパリで新作を披露した。すでに「モンクレール・ジーニアス」でワールドワイドに名前が通っているだけに期待度は高い。そのスタイルはボックスに近いシルエットで、ストリングスをパーツ的に取り入れてフォルムを変化させていくもの。
白をベースにしたキルティングトップでスタートしたコレクションは、これまでのグリーンのイメージよりもずいぶんミニマルな雰囲気が漂っている。不織布の風合いのトップの上に、バッグのようなパーツをベストのように重ね付けしてフォルムを変える。そこから布をひもで絞って着丈やバランスを変えるアイテムへと続いていく。まるでブラインドカーテンのようにひもの絞り方で着丈のバランスを変えていく。ビニルチューブのフィッシュネットトップやひも状のステッチ刺繍を飾ったセットアップなど、ストリングスディテールにこだわった。
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