20~21年秋冬NYコレクション「マークジェイコブス」アートとせめぎ合う

2020/02/17 06:30 更新


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 【ニューヨーク=小笠原拓郎】20~21年秋冬ニューヨーク・コレクションは、マーク・ジェイコブスの鮮烈なショーで幕を閉じた。手仕事を生かしながらミニマルに収めた服がこの秋冬も存在感を放っている。そして、そのシンプルな服の力をどうアピールするのかという点でも新鮮な発見があった。

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 マーク・ジェイコブスは、パンクなバレエダンサーで振付師でもあるキャロル・アーミテージとともにコレクションを見せた。マーク・ジェイコブスの服を着たダンサーたちが、モデルとともにステージを舞い踊る。まるでシャンパンの泡が弾けるように、美しい服とダンサーの動きが重なり押し寄せてくる。

(写真=ブランド提供)

 ダブルフェイスカシミヤはたくさんのミニマルなタンクドレスやショートコートに。コサージュをつなげたドレスなど丁寧に作られた服が、いずれもミニマルなラインに収められる。白いシャツにニットベストやセーター、ボトムはニットと同じ色のパンツできりりと抑制を利かせる。もちろんレパードやゼブラ、ラメやスパンコールといった装飾もあるけれど、やっぱりシンプルでマークらしいウィットに富んでいる。ハンドクラフトを生かしたミニマルなラインとパンクなバレエダンスが共鳴して、服の力が人の動きによってスパークするように感じられる。

(写真=マルセロ・スビア)
(写真=マルセロ・スビア)

 マーク自身、今まで数々のアーティストとコラボレーションしてきた。そして今は、さまざまなデザイナーがアーティストと協業してコレクションを作る時代でもある。ひょっとすると服の力だけで新しさを描くのは困難なのかもしれない。しかし、それがプラスアルファの結果につながっているかというと、必ずしもそうではない。コラボという名のロゴやグラフィックのビジネスでしかない場合も多い。

 マーク・ジェイコブスのショーは、アートと服とのせめぎ合いが感じられる。その緊張感が、ぴりぴりとした臨場感となって伝わってくる。服としては前シーズンにトレンドとなったシンプルな流れを継続させるもの。マークらしさを加えたシンプリシティーはもちろんクオリティーも高いが、服だけで新しい時代を切り開くまでではない。しかし、ショーとしては、この数シーズン見たすべてのショーの中でも最高のクオリティー。

 人の感情を揺さぶる服とその見せ方には、まだ違う可能性があると思わされた。

(写真=Dan and Corina Lecca)

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