山形屋グループ、持ち株会社制に6月移行 ガバナンス強化で再生へ

2024/05/30 06:30 更新


今年度から新規テナント導入などリモデルに着手する山形屋(鹿児島)

 事業再生ADR(裁判外の紛争解決)手続きによる事業再生計画が成立した百貨店の山形屋(鹿児島)など山形屋グループは、28年度までの中期事業計画を発表した。6月に予定する株主総会の承認を得て、持ち株会社体制に移行するなど組織再編を進めるともに、改装計画にも着手する。

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 中期事業計画は、①組織再編②店舗活性化③業務改革の推進④財務健全性の向上に取り組むもの。百貨店各店舗の閉鎖や従業員の早期退職などのリストラは予定していない。組織再編については、6月中にもグループ現24社を束ねる純粋持ち株会社山形屋ホールディングス(HD)を設立する。鹿児島銀行、ルネッサンスキャピタルから役員が入り、ガバナンスを強化する。社長など役員体制は未定としている。HD設立後に、国分山形屋、川内山形屋、山形屋パーキング、ワイズ(サービス業)、トウェンティ・ワン(小売業)、金生産業(不動産業・保険代理業)の6社を山形屋に、日南山形屋と宮坂山形屋食堂を宮崎山形屋に、山形屋産業開発(卸売業)を山形屋商事(同)に、それぞれ8月1日に合併する予定だ。

 店舗活性化は、テナント導入など店舗リモデルに今年度(24年度)から着手する。また、山形屋アプリを今年度に立ち上げる予定で、新規顧客の創出や売り上げの拡大につなげる。

 業務改革の推進については、組織再編に伴い、店頭人員を強化するなど「適正な人員配置」に取り組み、生産性を高める。財務健全性の向上は、負債の支払い猶予などの金融支援や遊休資産の売却に取り組む。

 24社の連結業績は非公表だが、「21年度以降3期連続の増収ならびに収益改善」している。23年度の連結営業利益率は0.5%。28年度には2%にする計画だ。山形屋単体の23年度総額売上高は前期比3.2%増の379億円、営業利益1億1200万円(前期は2億800万円の赤字)で4期ぶりに黒字化している。

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