コロナ禍を経て、結婚式のあり方が多様化している。挙式や披露宴、パーティーを開くカップルは増えたが、これまで「当たり前」とされてきたルールや演出、ドレスコードなどが変化している。式を行う場所や衣装を決める時も、自分たちらしさを表現したいという傾向が強い。こうした流れを受け、新しい選択肢を提供するウェディング業界の動きもある。
リクルートの結婚情報誌『ゼクシィ』が発表した「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」によると、結婚式費用の総額平均は327万1000円。前年より約23万円増加した。コロナ禍前の20年には届いていないが、24年に入っても増加傾向にある。AOKIホールディングスのブライダル事業会社アニヴェルセルも、24年3月期は結婚式施行組数が前年比2ケタ増となった。
結婚式の会場も、より自由に好きな場所を選ぶカップルが増えている。ビーチやガーデン、小規模なゲストハウス、自宅など、選択肢は様々だ。挙式を行わず、写真撮影だけの〝フォト婚〟も増えた。スタジオで撮影するだけでなく、カップルの思い出の場所など、屋外での撮影も人気だ。
カジュアルな式も増えていることから、参列者のファッションも自由になっている。特別な時しか着られないようなドレスではなく、日常でも着用できるセットアップを提案するブランドも多い。