就職・転職のための企業リサーチサイトを運営するヴォーカーズ(東京)は、業界ごとの18年有給休暇消化率を調査した結果を発表した。今回の調査では、同社サイトに投稿された現職社員(回答時)による有休消化率データを年次で集計し、平均の推移を調べた。
有休消化率は14年から上昇しており、18年は平均51%と、初めて5割を超えた。13年の消化率と比較すると10ポイント伸びた。年代別では20代の有休消化率が最も高く、51.8%となった。
業界別では「消費者金融、事業者金融」業界が最も高く76.7%で、最も低かったのは「フードサービス、飲食」業界の24.1%だった。「ファッション、アパレル、繊維」業界は40.8%、「小売り(百貨店、専門店、コンビニエンスストア、量販店)」業界は35.4%、「インテリア、雑貨、文具、スポーツ」業界は35.4%と、ファッション関連業界は相対的に有休消化率が低かった。一方「通信販売」業界は52.5%だった。
来年4月に施行される働き方改革関連法では、労働基準法が改正され、年10日以上有給休暇の権利がある従業員について、最低でも5日以上取得させることが義務付けられる。企業側に罰則を設けることで、従業員を強制的に休ませるための施策となる。有休消化率が低かった企業や職場においては、休みを取りやすい風土作りや、業務を属人化させない体制作りが求められる。