VMDの専門家として活動していた平田理央さんは、21年5月に回路(東京)を法人化した。コロナ禍の終わりが見えないなか、消費者のECシフトは加速、店舗が満足に開けられないなど事業環境は逆風の真っただ中だった。しかし、「店頭で共感を得る価値を作ること」が今、最も問われているものとの確信に突き動かされ、挑戦する道を選んだ。
少ない人材に危機感
07年にディーゼルジャパンに入社してVMD本部に所属、8年後に独立し、個人事業主として8年間、小売企業やメーカーのVMDを担ってきた。感じていたのは「日本のファッション企業のVMD意識の薄さ」だ。欧米のラグジュアリー企業やSPA(製造小売業)は「VMDを徹底し、ブランド戦略や店舗運営を組み立てて必ず専門の部署を設けている」のに対し、日本の企業は「専任者が必ずしも必要とは捉えていない」ことも多かったという。
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