ある雑貨メーカーでは大人向けにキャラクター商品を増やしている。絵本のキャラクターなどの「かわいい」モチーフの商品はミセスから評判がいいという。同社の社長はその理由を今年50周年を迎えた「ハローキティ」に絡めて分析する。生誕当時10歳だった人が今、60歳を迎えた。幼い頃から培った「かわいい」感覚が深く根付いているのだ、と。
サンリオのインタビュー記事によれば、ビニール製の小銭入れから始まったキティは、80年代後半からモノトーンやタータンチェックなどトレンドを意識した商品展開に力を入れた。それが「大人が持ってもかわいくて今っぽい」と女子高生から上の世代までつかみ、キャラクターは子供のもの、との概念を覆した。
キャラクタージュエリーを強化するメーカーもある。「子供向けのキャラクター商品で、高価なジュエリーなんて売れるのか」と反対の声も多かったが、大人にヒットし、今では海外でも人気という。世代も海も超える「かわいい」は今、ビジネスに欠かせないものとなっている。
(桃)