《視点》カスハラと高齢化

2024/11/27 06:23 更新


 近所のGMS(総合小売業)のサービスカウンターでのこと。60代後半と見える男性が「割り引いてもらえると聞いたのだが」とレシートを差し出した。もちろん無条件で割り引くことはないからカウンターでは「どういうことでしょう」となった。そのあと二言三言やり取りがあって、駐車券のこととは分かったのだが、その時には男性は怒りでものすごい形相になり、「なんて店だ」と怒鳴っていた。

 こんなことにさらされる現場は大変だ。従業員を守るカスタマーハラスメント対策が企業に義務化されようとしており、防止条例制定の動きが広がるのは当然。対応方針を公表する流通企業もある。

 このGMS、店舗年齢が高いだけに顧客の年齢層も高く、自動化されたレジに戸惑うだけでなく、1人での買い物が困難な客も訪れる。理由にならないことでごねている姿も見るが、介護の領域にも思える対応をしながら地域を支えている。男性は加齢によって激高しやすくなることがある。カスハラはカスハラなのだが、高齢化社会の悩ましさのような気もする。

(光)



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