《視点》SNSの住人

2024/08/29 06:23 更新


 香水についての記事を書くために、SNSで情報収集をしていて気づいたことがある。インスタグラムとX(旧ツイッター)を中心に見ていたが、前者は「モテる」「色気を感じさせる」といった具合に、他者への〝受け〟を重視した紹介の仕方が目立った。一方、Xはワインのテイスティングのように、香りの感想を細かに語る投稿が多いと感じた。

 かつて隆盛を誇った某巨大ネット掲示板では、各掲示板に張り付いているユーザーを「住人」と呼んだが、SNSもサービスごとに住人が異なり、投稿内容に違いが出てくるのも当然のことだろう。

 ファッションブランドは、インスタグラムを発信の主力に位置付ける場合が多いが、とある企業は打ち出す商品の性質によってXと明確に使い分けているという。例えば、「アニメとの協業の告知は、マニア系ユーザーが多いXが伸びる」とのことだ。 

 SNS発信に苦戦している企業は未だ多い。投稿内容のブラッシュアップも有効だが、住人の性質を読み切れずに暗闇にボールを投げていないか振り返ってみることも大切だ。

(夏)



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