「親しみやすさがキーワード」とよく耳にするようになった。かつて、ブランドは憧れの存在として、いかにスタイリッシュにイメージを発信するかに力を入れてきた。もちろん、公式ルックでは理想とするビジュアルを作り込むが、実売につなげるコミュニケーションの在り方は変わってきた。ECサイトで、スタッフコーディネート画像の投稿が売り上げに大きく関与しているのも、その表れだろう。
その発展形として、ここのところ気になっているのがUGC(ユーザー生成コンテンツ)。消費者自らが商品の使用感などをリポートするもの。星付き評価コメントなどは以前からあるが、SNSと同様に写真付きでアップするプラットフォームを大手モールが構築し、報酬制度も設けたり、SNSに投稿された画像を許諾を得て収集、自社サイトに自動的にアップするサービスが出て来たりと、活用が本格化している。
身近な手本が重宝される背景には、憧れに手が届きにくい時代になり、お財布事情からも絶対失敗したくない、という消費者心理があるのかと思う。一方で、デジタルの力で多様なおしゃれに挑戦しやすくなっているのは良いことだ。今後どんな発展を見せるか見守りたい。
(維)