イオンの岡田元也代表執行役会長の発言を久しぶりに聞いた。先日のフジとの経営統合の記者会見でだ。
「コロナ禍で、企業の革新力と地方の力の重要性を再確認できた。日本の再発展のために大変革が求められるが、東京が変わるよりも地方が変わり、地方に重心が移動して、日本全体が変われる」「我々は革新に革新を重ね、いわゆるOMO(オンラインとオフラインの融合)エコシステムを構築する。望むのは、スーパーリージョナルOMOリテーラーだ」「顧客に接近してウォレット・シェアを引き上げることが可能なエコシステムを構築する」などなど。最近は大阪での年末記者懇談会がなくなり、久しぶりに〝岡田節〟を聞いた感じだ。
コロナ前は「景気がいいのは首都圏だけ」などと言われ、大都市に販売を依存する企業が少なくなかった。それがコロナ下では「地方店が健闘している」という声をよく聞くようになった。感染状況による差も出たが、地方の実力が再確認できたといわれる。コロナ後も東京一極集中ではなく、地方の実力がさらに高まってほしいものだ。
(茂)