オリンピックが終了した。コロナ禍での開催など色々と思うところはあるものの、ひとまず大きな混乱がなかったことに胸をなでおろした。個人的にオリンピックは、メディアに出てくる機会の少ないマイナー競技をじっくり見られる点が楽しい。今大会も日本人選手が好成績を残したことなどで、名前さえ知らなかったいくつもの種目がニュースにも取り上げられた。
SNSでは「ルールもわからなかったが見てみると面白い」という声を多く見かけた。情報源が分散し、情報量も増えた現代、認知度の低いものを多くの人に知ってもらうことはとても難しい。テレビは今やオールドメディアと呼ばれるが、普段なら埋もれてしまう情報を届けるプラットフォームとしていまだに強い力を持っていることを改めて感じる出来事となった。
中でも目立ったのが「実況解説がわかりやすくて、楽しめた」「解説者が選手を楽しそうに褒めているので、自分も応援したくなる」という声。マイナーなものがやっと表に出てきた時、認知度がない分、解説者が果たす役割はメジャーなものより大きい。近年、繊研新聞は「共感と解説」という方針を掲げている。オリンピックの解説者を、自分が目指すべき一つのお手本としたい。
(稜)