《視点》ディーラー

2021/02/17 06:23 更新


 「車のディーラーの営業は担当者で売り上げに開きがあるのはなぜだと思う?」。専門商社の役員と話していて聞かれた。

 扱う車種やオプションはどの営業も同じ。つまり、誰から買っても消費者は同じ車が買える。だが、営業成績は人によって開きがある。これはなぜだ、というのが質問の趣旨だ。

 答えは「紹介」。心地良い接客ができれば、顧客が知り合いを紹介してくれる。そこでまたレベルの高い接客をすると、その人が知人や友人と引き合わせてくれる。良い接客を続ければ、この流れが途切れることはない。

 紹介した側に大きなメリットがあるわけではない。紹介料を得るケースもあるが「その分、値引きをしてあげて」と受け取りを断るケースも多いと聞く。

 紹介したくなる根底にあるのは「感動」だ。対応の速さ、話題の豊富さ、丁寧な所作、言葉選びのうまさ…。要素は色々あれど、自分が接客で得た感動を誰かに伝えたい。ITが普及した今だからこそ、感動を求める人は増えているように感じる。

 売る物が変わっても同じだろう。ファッション業界はお客に感動を届けられているか。胸に手を当てたい。

(森)



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