知的財産への関心が高まっている。模倣品の流れがECやフリマアプリなど多様化した。誰でも服を作れる今、インフルエンサー発ブランドがデザインを模倣して炎上し、扱う百貨店が対応に追われることもある。知財への理解やリスク管理が必要なのはメーカーやブランドだけじゃない。
模倣品は原材料や製造工程などが不透明で、環境や健康に悪影響を与えたり、反社会的勢力の資金源の場合もある。全社で取り組むことで偽物対策を「SDGs(持続可能な開発目標)にもつなげる」という考え方も広がってきた。
企業の知財部の役割は大きくなった。少数精鋭で地道に取り組んでいる企業も多い。ある担当者は「他の社員に何しているかわからないと言われて悔しい思いをしてきた」と話す。
一方、「模倣品かどうか怪しい」と情報提供をくれた営業担当には必ずフィードバックを心掛けているという。「次も相談しようと思ってもらうには、その後どうなったか疑問を持たせてはいけない」からだ。社内報で知財部を紹介するコラムを作ってもらい、部署への敷居を下げ、成果を共有・発信する仕組みも作ることで、理解者を増やしたという。
(藤)