《視点》繊維の未来を作るのは

2019/10/11 06:23 更新


 人を育てるのに、こうも日本とは違うのかと感じる機会があった。一つは、伊ビエラ産地の大学院「ビエラマスター」の学生が訪日した際。彼らは毛織物産地で繊維の基礎から実践を学び、ニュージーランド、日本、中国、英国を回る研修も行う。海外渡航など費用の大半は奨学金でまかなわれ、地元のロロ・ピアーナ、エルメネジルド・ゼニアらのほか、ブルックスブラザーズ、ポロラルフローレンといった国内外の企業が資金をサポートする。

 もう一つは、奈良で開かれたスマートテキスタイルの国際シンポジウムで、講師の一人として登壇した独アーヘン工科大学のテクニカルテキスタイル研究所長の話から。

 若手研究者を輩出する同研究所は電子・通信、自動車など先端産業と連携し、次世代の繊維産業の種をまいている。ドイツが先行するマイクロファクトリーやスマート工場など、産業の変化も彼らが後押しする。

 日本では、繊維の研究なんて古いと思われるかもしれないが、世界を見れば全く違った景色が広がる。産業の未来を作るのは教育だと改めて感じさせられた。

(恵)



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