生産コスト上昇を嫌ってアパレル生産がますます中国から他国にシフトすると思われそうだが、実はそうでもないのだそうだ。その背景には、日本国内で進む実需引き付けや、1型あたりのロット減少などがあって、「中国でなければ日本向け生産が成り立たない」という事情があるようだ。
アパレルOEM(相手先ブランドによる生産)企業に共通する意見は、「量産型はバングラデシュに移動するが、中小ロットは中国。この2国以外の生産は納期とロットを考えるとそれほど期待できない」というわけだ。
中国生産の拠点が上海から南通、さらには内陸に移って久しい。南通でも生産コスト上昇によって、管理拠点が中国以外に移転すると見られてきた。しかし「検品の状況を見る限り、南通生産は健在」(OEM企業各社)なのだそうだ。
米中貿易摩擦の進展は米国向け生産の中国以外への移転を促している。となれば生産に余力が出来て、ますます中国生産が見直される可能性もある。
(浅)