人気スタッフがSNSで店舗異動やブランド異動を告げると、スレッドが惜しむ書き込みであふれ、最終勤務日には続々と花束やプレゼントが届けられる。
ECでのスタッフコーディネート活用にクローズアップした取材でそんな話を聞き、影響力の大きさに驚いた。かつてのカリスマ店員を思わせるが、当時は大都市の一部店舗のスタッフにスポットが当たっていたのに対し、今は、ネットの力で地方SCの小さな店舗であっても、個人の魅力とスキル次第でスターが生まれる点が異なる。フォロワーの数などは、ブランドの知名度や店舗数などにも左右されるが、ある程度平等にチャンスが生まれているといえる。また、人材難の今、こうしたコンテンツを導入することが、働きがいや帰属意識の高まりにつながるメリットもある。
ただし、誰もがコミュニケーションを取れるだけに、ヘッドハンティングに合う可能性も否定できない。ぼう大なフォロワーを持つスタッフがメディア化して独立ということもありえる。身の振り方は自由だが、会社としては、魅力あるスタッフに長く一緒に働いてもらための環境整備も必要となってきた。伝え方、売り方、働き方それぞれに、これまでにないスタイルが評価され、求められる時代に入ってきたなと感じる。
(維)