《視点》人件費が安い国で

2019/06/27 06:23 更新


 久しぶりにバングラデシュに取材に入った。本紙特集「進化するアジアビジネス」の締め切りがあって、イスラム教徒が断食するラマダンの期間中になってしまった。ラマダン中は終業時刻を早めにする工場が多くなるため訪問軒数に影響があったが、道路渋滞がそれほどなく遠方の工場でも取材時間を十分に取れたのは幸いした。

 日本へのアパレル輸出が急増しているのは人件費の安さがあるからだ。バングラデシュに貧困国のイメージを多くの人が持つだろうが、貧富の差を伴いながらも生活レベルは上がっていると感じる。その一つが巨大ショッピングモール、ジョムナフューチャーパークを訪れた時のこと。休日前の木曜日の夕刻は大勢の客でにぎわっていた。現地の高級ブランド「アーロン」では高額な服が次々と売れていく。レジではQRコードをスキャンして支払う「bKash」もあった。日没後に始まる食事会のイフタルのために家路を急ぐ道路にはバイクが目立った。10万円以上するバイクを現金で買う人も多いという。

 こうした豊かさと対照的な生活を送るのが縫製工だ。最低賃金が上がったとはいえ、ASEAN(東南アジア諸国連合)と比べてまだ低い。人件費の安さはアパレル業界にとって都合が良いが、豊かな姿を見せつけられる縫製工の不満や要求が高まるのは間違いない。

(近)


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