《視点》スポーツ弱者を主役に

2019/06/21 06:23 更新


 世界ゆるスポーツ協会という団体がある。「スポーツ弱者をヒーローに」を合言葉に、誰もが等しく楽しめるスポーツを考案している。

 例えば、激しく動かすと大声で泣き出してしまう特殊なボールを使った「ベビーバスケ」。たたいたり、勢い良く投げるのはNG。そっとパスをして、そっとキャッチする。1人500歩しか動けない「500歩サッカー」も面白い。選手はメーターを装着し、残歩数を気にしながらプレーする。

 協会ではこうした競技を80作った。ハンデのある人のほうが有利な競技も多い。澤田智洋代表は「スポーツ弱者の視点でスポーツを内包すると、新たな市場を作ることができる」と強調する。実際、ゆるスポは海外にも進出。販売好調の用品も多い。スポーツ用品メーカーにとって、スポーツ参加人口を増やすことは大きなテーマ。

 だが、非参加者を既存の競技に巻き込むことばかりを考えていないか。ゆるスポの例のようにスポーツ弱者の立場に立って「運動」をとらえ直せば、意外なビジネスチャンスが見つかるかも。

(潤)



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