統一地方選挙が終わった。今回大きな話題となったのは、立候補者が定員に満たず、無投票の選挙区が増えたことだ。人口減に悩む地方だけでなく、横浜や名古屋など大都市でも起きた。
背景には、高齢化による引退議員の増加や、争点の減少などがあるという。また立候補者が減ったのは、議員報酬の少なさや兼業のしづらさなど、選挙・議会制度上の問題も理由に挙がる。ただ、ある有識者はそもそもの問題として、「『議員は誰かがやってくれる』という『お任せ民主主義』が市民に広がっている」と指摘、警鐘を鳴らす。
社会の変化に合わせて選挙・議会制度自体が変わることは良いと思う。しかしその有識者が言うように、お任せ民主主義が本当に広がっていれば、いくら制度を変えたところで事態は大きく変わらない。
目の前で起きていることに関心を持ち、当事者意識を持って自分ごととして関わろうとできるか。今回の事態は記者も含め多くの人がこう問われたように思う。もちろん、他人に「お任せ」できない仕事も、同様の意識が必要だが。
(潤)