《視点》パンドラの箱

2019/04/04 06:23 更新


 「ウェアラブル技術はパンドラの箱」。ウェアラブルIoT(モノのインターネット)製品・サービスを開発するミツフジの三寺歩社長がたびたび話す。センシング技術やアルゴリズム開発、AI(人工知能)の飛躍的な進化で「未来に何が起こるかがわかり、人は自分の可能性まで知ってしまう」ところまで到達しつつあるからだ。

 現在、登場しているウェアラブル製品と言われるものの多くは、リスクのある直近の状況に対して信号を出す。そして、大きな病気や災害などが起こらないよう前もって防ぐための〝予防〟ツールにとどまるが、「ウェアラブルの本質的な価値は何が起こるかを前もって知る〝予知〟」と三寺社長。子供のときに国の代表レベルの選手になれるかどうかもわかるのだそうだ。

 未来を知るのは怖い気もするが、占いやタイムマシンなど人はずっと未来に対する興味を持ち続けてきた。人の欲求は抑えられないし、欲求がある以上ウェアラブル技術の進化は止まらないはず。成長するウェアラブル市場には様々な産業界からの参入が目立ってきた。繊維・アパレル企業はどのように関わるのか注目している。

(嗣)



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