《視点》創造的破壊に生き残る

2019/03/19 06:23 更新


 GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)が恐いのは、巨額の研究開発費で新しい技術を開発し、既成の業界の「創造的破壊」を進めること。逆に、米国で実験されているサービスや技術をいち早く取り入れ、日本流にアレンジして提供すれば、先んじることが可能かもしれない。例えば、ゾゾスーツによるサイズ計測などは好例だろう。

 ただ、〝本物〟のサービスが上陸すれば、先行者利益は失われかねない。それを防ぐためにはやはり、新しい技術を開発し続けていくしかない。これは、いわゆるプラットフォーム企業に突きつけられる課題だ。

 ユーザー側から見ると、こうした競争で選択肢が増え、コストも軽減できる。中小・零細が圧倒的に多いアパレル企業にとっては恩恵だ。しかし、デジタル技術で効率的な企画・生産・販売が可能になると、市場はPBに占有されかねない。

 選ぶ側も賢く技術やサービスを活用するため、価値あるブランドや製品を供給することが求められる。それができなければ、再販価値が低く、サブスクリプション(定額利用)のレンタルでも、パーソナルスタイリストにさえ選ばれない。そんな事態を避けるには、AI(人工知能)ではできない、人の創造性を生かすことが不可欠だ。

(矢)



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