最近の消費者は普通の商品・サービスに満足せず、「心が動く」商品との出合いや感動体験を求める傾向が強まっているが、それに応える企業で働く人々の「気分やモチベーション」をしなやかに強くすることが重要になってきた。
最近聞いたセミナーが大変興味深かったので紹介したい。ITシステムのネクスウェイがサービス展開する「店舗マティック」10周年記念イベントで、ドリーム・アーツの山本孝昭社長が講演した。
要約すると、「システムの役割は、現場の良質なエモーション醸成。しかし今、多店舗での利便性よりも、IT化で事業発展の時間が大きく短縮。さらに店舗の存在価値も問われている」という。特にビッグデータとAI((人工知能)が出現した今を「目を持った生命が爆発的に増えたカンブリア紀」と同様の大変革期とし、「この変革期に企業はITという目を積極的に使いこなす集団になり、テクノロジー×気持ち×意識をコントロールできる強い組織作りが重要」と語った。
経営者はシステム投資を収益改善で語りがちだが、客の要望が複雑化するとともに、人手不足も顕著になる今、働く人の気持ちと意識を高める効果と、意識共有された強い組織作りを実現することが問われている。
(疋)