《視点》産地ブランドの先駆け

2018/06/28 06:23 更新


 そうめんのおいしい季節がやってきた。三輪(奈良)や小豆島(香川)をはじめ、有名なそうめん産地が全国にあるが、テレビCMでも知られた播州(兵庫)の「揖保乃糸」を一番に思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

 揖保乃糸が商標登録されたのは1906年(明治39年)で、100年以上も前のこと。現在は協同組合が商標を管理し、等級によって帯の色や表示が変わる。検査・検品も組合が行っており、厳格にブランドコントロールされている。

 このブランディングのルーツは江戸期にさかのぼる。製造業者が増えるのに伴って粗悪品が出回ったことから、藩を越えて集まった播州の業者が品質について取り決めを交わし、違反者には2両の罰金を課したという。

 今、全国の繊維・テキスタイル産地では、産地ブランドの取り組みが活発だ。しかし、品質をどう維持するか、どのようにブランド価値を高めていくか、課題も多い。産地ブランドの先駆けともいえる揖保乃糸に学ぶ点は大いにありそうだ。

(恵)



この記事に関連する記事