数年ぶりに図書館を訪れ、その便利さと合理性に改めて感心させられた。自動貸出機に自分のカードをかざし、借りたい本を台の上に重ねて点数を入力すると、センサーがまとめて読み取り、タイトルを表示してくれる。
承認すれば手続きは完了だ。まるで無人レジのような仕組みがそこにある。本を探す際も蔵書検索システムで請求記号さえ分かれば、すぐに当該の棚にたどり着く。ふと、ファッション業界にも応用できないかと考えた。
新しい服がほしいときは、ECで下調べし実店舗で質感やサイズを確かめてから買っている。しかし、大型店だと例えばブラウスだけでもいろいろな場所に点在しているので、目当ての商品を探すのは案外大変だ。諦めて店員さんに聞いたら、思いもよらない場所に置かれていて驚いたことがある。
商品がよりおしゃれに見えるVMDや偶然の出会いがあるのは実店舗の良さ。図書館ほどの整然とした陳列は望まない。ただ、検索条件での絞り込みに慣れた消費者が今よりストレスなく買い物できるようになれば、ネットとリアルの融合ももっと進むのでは。(石)