最新のトレンドも、アイデアのもとをたぐれば70年代とか80年代とか、過去のファッションにさかのぼる。当時はそれまで見たことも聞いたこともない〝実験〟でもあり、記者も新しい服を次から次へと買って着てみて高揚した。同世代で話すこともよくある。
最近、あるライフスタイル系の雑誌を見ていて気が付いたのは、そんな過去の高揚をもう一度なぞって編集しなおしていること。登場するのは、過去の人たち。といっては失礼かもしれないが、ああこの人、と思い出すかつての有名人だ。当時あこがれのファッションや生活スタイルを体現していたし、大きなビジネスにもなっていた。そうか、ファッショントレンドだけでなく、編集も人も、繰り返すのが〝あり〟なんだ。
一度書いた話、終わった流行にあまり価値を感じないのは記者の悪い癖だろう。ものすごくカッコよかった服、大いに盛り上がったマーケットの話も、過去の財産はもっと大切にしなければ。そこから新しい何かが生まれるかもしれない。ちゃんと振り返ってみようと思った新年でした。(赤)