睡眠への社会的関心が急速に高まってきた。特に17年は、「睡眠負債」が流行語大賞でベストテン入りするなどメディアをにぎわせた。眠りに密接に関わる寝具業界では、従来の「睡眠の日」(3月18日と9月3日)や「ふとんの日」(10月10日)に加え、17年から「毛布の日」(11月20日)が制定され、睡眠への啓蒙(けいもう)や寝具の販売促進などの業界振興の取り組みも活発になっている。
寝具市場では引き続き、マットレスや枕を中心に快眠をサポートする敷き寝具が動いており、店頭でのコンサルティング活動や寝室リフォームを手がけるメーカーも登場した。
社会的関心や需要拡大の背景にあるのは、00年から始まった「健康日本21」(厚生労働省)政策に基づく「健康寿命の延伸」の大号令。老若男女の快眠志向とマッチし、単なるブームでなくムーブメント的な様相に発展しており、眠りの需要は今後も拡大すると見られる。
同時に、健康作りの3大要素は栄養・運動・休養(睡眠)とされており、今後は、アスレジャーと快眠の接近など、業種の際を越えたビジネスが広がるのかもしれない。
(阿)