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「ヴェイン」(榎本光希)は7月8日、都内で25年春夏コレクションをショー形式で披露した。少年のようにイノセントな雰囲気のモデルたちが、大きめのサイズのアイテムをまとって現れる。オーバーサイズのシャツジャケットに、白いシャツ、ブラックタイは首にそのまま巻き付けるようにして垂らす。ハーフパンツのスーツスタイルにサテンのブルゾンとショートパンツのセットアップ。アイテム自体は緩めなのだが、素材感や色使いでほんのりとエレガンスを添えていく。
キーカラーはミントブルー。ミントブルーのジャージーセットアップは、柔らかなグラデーションのレイヤード。オンブレチェックのシャツもミントブルーを差し色にすることで、アメリカっぽさを柔らかく抑えていく。うまくタイドアップできないまま、大きめのアイテムをコーディネートしていくスタイルは、少年たちが背伸びしながらファッションを楽しむような自由な空気を感じさせる。その緩さとエレガンスのバランス感で見せるスタイルは、大人になる前の少年の一瞬の輝きのようにも見えた。
(小笠原拓郎、写真=加茂ヒロユキ)