【パリ=松井孝予通信員】ユニクロのパリ・ニット展覧会で25日、柳井正ファーストリテイリング会長兼社長と島三博島精機製作所社長が、無縫製横編み機「ホールガーメント」を使った3Dニットの未来についてトークセッションを行った。ホールガーメントによる新しいファッションを熱く語った。
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柳井会長は、「無限の可能性を持っているホールガーメントは、デザイナーの力が無いと良い服にならない。これからもっとすばらしい商品ができると思っている」とクリエイティブの重要性を説いた。さらに「工場から個々のお客様に届ける注文生産の時代がやってくる。ホールガーメントはその最適手段であり、新しい時代に向けて島精機さんと一緒に取り組んで行きたい」と思いを語った。
島社長は、「デザインのプロセスの中でたくさん作られるサンプルにかかるコストと時間を、未来に向けてどんどん変えていく必要がある。我々は機械だけでなく、デザインシステムも構築している。消費者が欲しい商品を企画するのが重要であり、そのためにデザインシステムが活用できるようシミュレーション、デジタル化し、企画ができたらすぐ洋服になる究極のクイックレスポンスが目の前にきている」との認識を示した。その上で「これからのアパレルファッションビジネスは非常に面白い展開になると思っている」と語った。
ますます問われるサステイナビリティー(持続可能性)について島社長は、「糸1本捨てることがない横編み全てがサステイナビリティーにつながると思うが、ホールガーメントはさらに縫う必要もない。原料さえあればお客様の望むものをすぐ作れる、未来の究極の生産プロセスと考えている」と強調した。