《グローバルで勝ち抜くために ファーストリテイリング柳井会長兼社長に聞く㊤》進化した服のスタンダード作る

2023/01/04 06:30 更新有料会員限定


「日本で生まれた会社だからこそ、世界に通用する服が作れる」という

 ファーストリテイリングは経営手法を抜本的に変革し、新たな成長ステージを目指す。今期(23年8月期)は、中国、アジアに加え、欧米での出店も拡大、ニューヨークの本部機能を強化する。グローバルで勝ち抜くため、組織と働き方の大胆な変革で「全世界で支持されるブランドになる」という柳井正会長兼社長に聞いた。

(柏木均之)

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通用しない内輪の理屈

 ロシアのウクライナ侵攻など国家間の対立がさらに深刻化した22年。だが、国際社会には分断と相反する考えも広まり、生活者の意識も変化したと見る。

 国と国の分断が進んでも、企業と個人はそうはならなかった。世界中で困っている人たちへの同情心が高まり、互いを認め合おうとすることで連帯感はむしろ強くなった。世界が一つにつながり、今何が起こっているか、正しい情報をグローバルで共有できるようになったからだと思います。

 普段着る服を大事に考える人も増えました。デザイナーやブランドへの執着は薄れ、業界の内輪の理屈だけで作る服はもはや通用しない。安い服でトレンドを追って使い捨てることもサステイナビリティー(持続可能性)に反する。

 手持ちのワードローブに合わせて何年も着られる服のほうが選ばれる時代なのではないでしょうか。特別な機会にではなく、普段着る、生活のための道具としての服、着る人の個性を引き出し、身に着けて気持ち良い服が売れる。服の本質的な力が問われるようになった。

 22年8月期連結は増収、大幅増益を果たした。主力の「ユニクロ」はアジア・オセアニアの販売が好調だったほか、欧州と北米市場でも継続的に黒字を計上できる体制が整い、収益の柱が多様化した。

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