TSIホールディングス(HD)の22年度第3四半期(22年3~11月)連結決算は、売上高が前年同期比11.1%増の1154億円、営業利益は28.1%減の37億2000万円となった。営業利益が減益となったのは、本社移転に伴う一過性費用計上(累計で8億7000万円)などによるもので、実力値は46億円程度とみている。増収は主力の百貨店販路のレディスブランドが復調したことと、市場変化に対応が遅れて上期振るわなかったEC事業が急回復したことによる。下地毅社長は、「稼ぐ力は確実に取り戻せている。インバウンド(訪日外国人)需要の回復も追い風」と話した。復調傾向は続くが、通期の業績見通しは据え置いた。
(永松浩介)
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力強い売り上げ増は、レディスブランドとECの回復によるもの。〝ファッションキャピタル〟と呼ぶ、百貨店を中心としたブランドをくくったドメインの売上高は255億円で16%伸ばした。「ヒューマンウーマン」「アドア」「ル・フィル」などが好調。実店舗全体では17.4%増で、うち百貨店販路は44.3%伸ばした。百貨店は、撤退ブランドの影響を受けながらも前期を上回った。