東急不動産は東京・渋谷駅西口側の桜丘口地区で、参加組合員として開発している大型複合施設の名称を「シブヤ・サクラ・ステージ」に決めたと発表した。全3街区で、今年11月30日に完工し、順次開業する。商業施設の店舗面積は約1万5200平方メートル。来年7月ごろに全体開業する予定だ。
約2.6ヘクタールを一体開発する。地下4階~地上39階の「シブヤタワー」と地下4階~地上17階の「セントラルビル」からなるA街区「シブヤサイド」(延べ床面積約18万4700平方メートル)、地下1階~地上30階の「サクラタワー」からなるB街区「サクラサイド」(約6万9100平方メートル)、日本基督教団中渋谷教会が入る地上1~4階のC街区(約820平方メートル)で構成。「渋谷駅中心地区の都市基盤を完成させ、長年の課題だった街の分断などを解消する」(岡田正志社長)ため、駅西口側に歩行者デッキ、JR渋谷駅の新改札口とつながる通路などを整備する。緑化した広場も作る。
オフィス、商業、子育て支援施設、起業支援施設、医療施設などに加え、渋谷スクランブルスクエア、渋谷フクラスなど東急グループの渋谷駅中心地区の大型開発で初めて住宅を整備、サクラタワーに高級分譲マンション「ブランズ」を入れる。サービスアパートメントも導入する。
商業施設はシブヤタワーの地下2階~地上5階とサクラタワーの地下1階~地上5階に開設する。「最先端のトレンドやカルチャーを発信し、体験型を重視した多種多様なテナントを入れる」(黒川泰宏執行役員都市事業ユニット渋谷開発本部長)方針。「地権者が所有する区画も多く、従来のSCのような統一的な施設作りやテナント運営ではなく、路面店を配置したような作りにする」(岡田社長)という。全店舗面積のうち、東急不動産所有区画は約7200平方メートル。デジタルサイネージ(電子看板)を配置したイベントスペースも作る。
多言語対応する子育て支援施設や外国人ビジネスマンの滞在を想定したサービスアパートメントの導入などによって、「今まで渋谷の街作りで弱かった国際競争力を高め、より多くの外国人客を呼び込み、多様な人が集まる街作りに貢献したい」という。