東京の有力メンズブランドの26年春夏コレクションでは、それぞれのブランドコンセプトを背景にした新作が揃った。中でも、細かな手仕事の技を取り入れたデザインが目立つ。職人たちの手仕事を生かしたアイテムは、それだけで独自の魅力を放つ。
(小笠原拓郎)
森下公則は職人たちの技術を生かして作る「キミノリ・モリシタ」を再開して2シーズン目を迎えた。春夏は、キャンバスとシャツ地、製品染めによるコレクョンだ。シャツ地はコットン100%やシルク・コットンなど。製品染めは硫化染めで、茶色に染めた後、過酸化水素で脱色してオフホワイトのような色にする。100番単糸のパンツは裏返すとディテールが変わるリバーシブル仕様だ。手染めのブルゾンやコートは一点ごとに染まり方が異なり、風合いはペーパータッチ。