日爪ノブキと出会ったのは、数年前の「ロエベ」のショーの後だった。そこで、彼がロエベの唇のディテールの服を作ったことを知った。帽子デザイナーとして「ヒヅメ」を手掛けるほか、さまざまなブランドとコラボレーションをしている。その物作りの姿勢を聞いた。
(小笠原拓郎編集委員)
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小笠原 いろいろなブランドとコラボレーションしています。
日爪 「コムデギャルソン」「コムデギャルソン・オムプリュス」「キディル」「ロエベ」「ディオール」ですね。ロエベとディオールは帽子と服です。
小笠原 ロエベで唇の形を取り入れたドレスを作りました。
日爪 ロエベの話がきた時、言われたのは「こういうことがしたい。ノブキの作ってきたものを見てきたら、実現できるかもしれない。これは可能か」ってオファーだったんです。
帽子ってもうちょっと大きいディテールです。あの唇のドレスは大きい中に小さいディテールがあったから、それが表現できるかなっていうのは僕自身も不安でした。やっていく中でその方法を見つけた感じです。
小笠原 あの唇のディテールの素材は何ですか。
日爪 帽子のクラシックな製法を作る時に使う構造体を使っています。唇も硬くなっていいって言われたので使いました。フランスでスパッタリーと呼ばれる技術です。

小笠原 コラボレーションでは、それぞれのデザイナーの意図に沿って作る感じですか。
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