スタイレム子会社の受注生産型ブランド「シングスザットマター」 「感覚的な付加価値」で成長

2023/10/06 11:00 更新


造形アーティストとの協業では、「カレ」をイメージしたグラフィックプリントでTシャツを作った

 スタイレム瀧定大阪の子会社のエススラッシュの受注生産型ブランド「シングスザットマター」が、「感覚的な付加価値」を持った洋服として成長軌道に乗ってきた。クリエイティブディレクターの武笠綾子さんが企画し、催事とECを通じた販売で徐々に顧客を拡大。約2年が経過して、一定の生産規模を維持できるようになり、まもなく卸売りも始める方向だ。

 「感覚のカケラ」をテーマに1、2カ月に1度、新作を出しており、9月中旬に第12弾の「カレ」で展示受注会を行った。男性性と女性性のエネルギーバランスに向き合ったコレクションだ。女性である武笠さん自身の内に秘めた男性性にフォーカスし、「彼(カレ)」が自分自身につながる感覚や二面性を反映した。造形アーティストの森田智仁さんに依頼してグラフィックプリントの協業Tシャツも制作。森田さんはカレをイメージした男女が重なり合う彫刻も作り、展示会の会場に飾って感覚的な共有を図った。

9月の展示受注会では、購入者にトートバッグのロゴをプリントを体験してもらうサービスも

 エススラッシュは、こうした精神性を伝えることに重きを置き、ブランドを育ててきた。一つのコレクションで扱うのは平均15型。当初、試着できるのは展示受注会のみだったが、顧客のリクエストに応えて月に1回、事務所のショールームを開放するようにした。継続して売れる商品も出始め、ECでは10~15型を在庫販売している。

 今後は、一部のコレクションや商品を卸売りする。まずは売上高1億円を目標に、できる限り無駄を省いた製品ビジネスを構築していく。



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