縫製のテラオエフ 「テキスタイルラボ」が本格稼働 素材を絡めインフルエンサー対応強化

2025/07/17 12:00 更新NEW!


コミュニケーションの場として内外装にもこだわったテキスタイルラボ

 縫製のテラオエフ(兵庫県尼崎市、寺尾政己社長)は、本社工場近くに新設した「テキスタイルラボ」を本格稼働させている。数年来、インフルエンサーや、スノーボーダーをはじめ新しくブランドを作ろうとする人たちに向けた企画や生産のバックアップ事業を拡大しており、ここに多彩な素材を絡めることで、企画提案力を強化し、商品企画の幅を広げていく。

 ラボには、国内、韓国や中国などの資材、素材のスワッチを何千種類も揃える。同社自身、長年のOEM(相手先ブランドによる生産)を通じて、様々な素材メーカーとのつながりがあるが、ラボにはスワッチを置きたいという有力服地卸などからのアプローチが急速に増加中だ。

 素材見本が揃う場だけでなく、建屋自体がミーティングやコミュニケーションの場になるように、内外装の細部までこだわった。一部工事の残る外装も間もなく完成する見込み。22年に新鋭機を導入し新設した裁断・延反工場、今回のテキスタイルラボを含めて、本社縫製工場から、ほぼ徒歩1分ほどの圏内に生産に関わる拠点が揃ったことになる。

 同社の25年7月期の売上高は前期比微増の6億円弱となる見込み。コロナ直後の20年7月期は2億8700万円だったが、この5年でアパレル向けのOEMがほとんど無くなり、小口のインフルエンサーやクリエーター向け生産へと事業の中身が大きく変わった。24年春からの急激な円安もあり、一時は国内協力工場比率が90%と国産が主になっていたが、「しっかりと中国に入っていけば価格競争力は意外に強い」(寺尾社長)。現在は国内40%、中国60%と変化している。また、今後は、手掛けてこなかった横編み商品の提案なども強化していく方針だ。



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