タキヒヨーはAI(人工知能)が分析した需要予測を企画部門に落とし込んで、商品傾向や生産着数、納期などで精度を高めた商品開発システムを提案している。海外生産による生産タームの長期化が進む一方で、天候要因やファッショントレンドで目まぐるしく売れ筋が変わる店頭を結び付けるのが難しくなっている。流通段階の過剰在庫増加や粗利の低下などの要因になっている。
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大手ECサイトやSNSの投稿、小売店の動向などのビッグデータをもとにAIが予測した650個のキーワードによる需要予測を踏まえ、これを同社企画部門が店頭・市場調査、コレクション・セミナー情報をもとに予測したファッショントレンドに落とし込み、より精度の高い商品企画にするのがこのシステム。
AIはスウェット風ロゴニット、シャイニープリーツスカートなど、素材感やシルエット、色柄などを絞り込んだテーマを予測。これをもとに同社企画部門が顧客各社の実績やブランド傾向、競合の分析などをもとに具体的な商品企画に落とし込む。
「AIと人の予測を組み合わせれば信頼性の高い需要予測が可能」として、顧客とともに検証を重ねて精度を高めたいとする。これにより、長期の生産計画によるコストの削減、適正在庫を見越した生産の推進、在庫圧縮を見越した適正価格・適正利潤の予測などが可能になるとしている。
このほどこのシステムを24年秋冬シグマグループ展で紹介。24年冬トレンド予測として①シャイニー・シャイニー・シャイニー②バレエコアチュール③フルッフィー・フェザー④ポコポコキルティング⑤オトナスウェットジャージーの五つのキーワードを提案。これを基にした製品サンプルも紹介した。