サンエース、NFT化した動画を販売 自社ブランド初の展示会で技術訴求

2024/05/07 06:28 更新


パターンが製品になるまでを約20秒の動画にしたNFT作品

 デザイナーブランドのODM(相手先ブランドによる設計・生産)などを行うサンエース(岐阜市、浅野勝三社長)の動きが活発だ。3月から実用新案技術をNFT(非代替性トークン)化した動画販売にチャレンジ。5月には自社メンズウェアブランド「dDDD」(ディートリプルディー)の初の展示会を開き、実用新案技術を訴求するなど多彩な動きを見せる。

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 NFTで販売しているのは、ブレイクダンスの足の開脚や膝の屈伸、腰のひねり、曲げ伸ばしが容易にできる「ブレイキンパンツ」のパターンが製品になるまでを20秒程の動画にした作品。動画は3D着装シミュレーションソフト「CLO」を使って制作した。

 販売はNFTのマーケットプレイス「オープンシー」で行い、価格は仮想通貨0.19ETH(イーサ)。日本円でおよそ10万円弱(4月現在)。販売個数は二つで、3月にリリースした。

 今回のNFTでの作品販売について、浅野社長は「今はモノではなくコトを売る時代」とする。さらに、NFT作品販売を通じて、同社が提供する「動態立体」(立体的な動きを考慮して異なる方向へパターンを設定して縫い合わせる方法)を世間に広めていくことも狙いだ。

 5月にはメンズブランド、ディートリプルディーの初の展示会を東京・中目黒で開く。同社が扱う実用新案技術を展示し、動態立体とは何かを会場で伝えていくのが目的。物販については秋冬物のジャケット1着にあえて絞る。「この1着の開発のために、すでに200時間以上かけている」とし、「これからさらに完成度を高め最上級の1着を作りたい」とする。インスタグラムなどSNSで告知し、消費者やBtoB(企業間取引)で取引がある関係者に来場を促していく。

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