【睡眠の日特集】「睡眠に関する200人アンケート」

2018/09/03 03:58 更新


 繊研新聞社では9/3付け「睡眠の日」特集に合わせてウェブ媒体「繊研plus」のメールマガジンの読者にご協力いただき、「睡眠に関するアンケート」を実施いたしました。アパレル、ファッション小売り、商社、流通など男性120人、女性80人の200名から回答ありました。アンケート開始からすぐに多くの方から回答が寄せられ、睡眠に対する関心の高さをうかがえました。


●全体の80%以上が「睡眠に不満」

 全体の80%以上が睡眠に不満を持っています。睡眠の状態では「翌日に疲れが残ってしまう」「十分な睡眠が取れない」「すっきりと起きることができない」が上位ですが、「眠れない」、「いびきをかく」のほか、「睡眠時無呼吸症候群」という回答も複数あり、深刻な状況の人も少なくありません。

 そうした状況が生まれる要因は、寝具関連と仕事関連に大別されます。ハードな仕事、つまり残業や仕事のストレスという回答も多かったのですが、予想をはるかに上回ったのは寝具への不満です。「枕が合わない」「寝具の厚さや堅さ」といったものです。

 寝具に対する不満は、オーダー枕やマットレスパッドなど機能的に優れた寝具がヒットしているといわれています。すぐにでも睡眠への不満解消に向けて寝具を取り替えることは可能ですが、なかなか一歩が踏み出せていません。価格など、寝具に対するハードルまだまだ高そうです。 


●蓄積する「睡眠負債」

 昨年は「睡眠負債」という言葉が、「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに入るなど、睡眠の重要性がクローズアップされました。

 「睡眠負債」とは、睡眠不足が積み重なっていくことで気付かないうちに体調を崩していくような状態のことです。「睡眠不足」とは一時的な短い睡眠時間で日中に眠気を感じる状態のことです。十分な睡眠時間や質の良い睡眠は、仕事のパフォーマンスを高め、アンチエージングにも効果があるといわれています。

 適正な睡眠時間は、個人差はあるものの概ね6時間から8時間と言われています。仮に適正時間を7時間に設定すると、今回のアンケートでは全体の85%以上が7時間未満。6時間未満は45%でした。ファッションアパレル、ファッション小売り、商社、流通だけに注目すると実に91%が7時間未満の睡眠しか取れていません。多くの人が「睡眠負債」を蓄積しています。

●寝るときはTシャツや短パン

 予想通りではありましたが、全体の67%が就寝時にTシャツや短パンを着ていました。パジャマやナイトウェアなどの就寝時向けウエアは31%です。

 睡眠の専門家によれば、パジャマやナイトウェアには気持ちを切り替え、リラックスした時間を過ごすのに適した服装だといいます。着替えることで、リラックスし、睡眠に向けた気持ちに導いていきます。睡眠時は発汗し、寝返りを打ちます。そのときに質の良い眠りを保つために、睡眠時の衣服内環境を整えていくことも睡眠には大事なことです。

●ベッドが半数以上

 寝具をみてみると、ベッドに寝ている人が半数を越えています。敷布団の倍以上の数です。マットレスやマットレスパッドも多いのですが、これらの区別が明確ではない部分があります。次回のアンケートでは改善しなければならない部分です。回答で多いのは敷き布団とマットレス、マットレスパッドなど複数の敷き寝具を使用しているケースです。単一の寝具ではなく、独自に工夫している様子がわかります。掛け布団で圧倒的に多いのが羽毛布団とタオルケットでした。

●使い分ける購入場所

 寝具の購入店舗は多岐に渡りました。イケアやニトリなどの量販型家具店、無印良品やロフト、ハンズなどの大型店、GMSといった大型量販店などのほか、ネットショップでの購買も増えています。以外と少ない印象だったのが、百貨店での購買です。上質で、高機能の寝具を扱っていることはわかっていますが、そこでも価格が障害になっているのでしょう。

●意識して「眠る」

 アンケート結果からは睡眠時間が決定的に不足しいることが問題です。とくにファッションや流通で働く人たちは、就寝時間が遅く、寝る時間を削って仕事をしている様子が見て取れます。自分に合った睡眠がどのようなものなのか。どのように睡眠と向き合っていけばいいのか。それらを考えていくことが必要です。現在ではウェアラブル端末やスマホアプリによって睡眠の状況や時間などが測定できて、自身の睡眠の「見える化」が可能になっています。睡眠専門ショップもでき始めています。健康で、イキイキと仕事をする。そして遊びも含めて充実した時間を得るために、睡眠は重要にファクターになります。自らの睡眠をもう一度考えてみることが必要なのかもしれません。



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