【店長必見】スタッフのやる気を削ぐNG言動集

2017/09/02 04:45 更新


「自分で考えて動いてほしい」「積極的に提案してほしい」「アイデアがほしい」ーー店長からスタッフへの期待は大きいものです。1人ひとりの力を伸ばそうと責任感いっぱいに頑張る店長ほど、ときに余裕がなくなって、こんな言動しているかも…。こう言い換えて、スタッフのやる気を支えてあげましょう。

1.無理に話をまとめる


スタッフが店長に話をするときは、きちんと伝えようと気を遣うものです。接客を仕事にしているのですから、「話す」のは上手いはずと思うでしょうが、相手が上司となれば、接客時とは違うことをまず理解してあげましょう。

店長は、スタッフの話を聞きながら、彼彼女の「言いたいこと」を先回りして、「理解」しようという気持ちが働きます。悪気はないのですが、「あなたの言いたいことは、こういうことですよね」と、要点をまとめてしまう店長が多いようです。忙しいという時間的な焦りがあるからかもしれません。

これが、スタッフにとってはNG!まとめた内容は、間違ってはいませんし、店長の言うことを否定する勇気も湧きません。しかたなく、「はい」という、返事を選択します。心には、わだかまりを残したまま。

言葉の向こうにあるスタッフの気持ちに手を差し伸べるイメージでこう言い換えましょう。

「ひとつは、○○。もうひとつは、○○。今、あなたが話してくれたことを、そう受けとめたけれど、大丈夫ですか?」

「○○の部分について、もうすこし詳しく聞かせてもらえますか?興味があります」


2.「失敗なんて気にしないで」


「だれでも、ミスはある。気にしない!」「くよくよしても始まらないよ」ーー現場でよく耳にするフレーズです。

ミスをしたスタッフに注意をする、場合によっては叱責(しっせき)しなければならないケースもあります。最後に慰めるように、このフレーズを使いますが、あまりお勧めできません。

店長の話をきちんと聞き、心から反省をしているならば、やはり、気持ちは落ち込むのが当然です。落ち込むほどに反省をしているスタッフには、素直に感謝しましょう。


「きちんと受け止めてくれて、ありがとう」


この言葉には、つぎからは気をつけてくれると信頼しているというメッセージが込められます。背中をポンとひと押しして売場に戻して上げましょう。


3.「なんで出来ないの?」


これも現場でよく耳にするフレーズです。スタッフのモチベーションを下げる落とし穴があります。

「なぜ、できないの?」という言葉は、「できない」事実をスタッフの能力の限界であるかのように、決めつけてしまっているように聞こえます。「できないスタッフ」に対して、店長が上から目線でものを言っています。こう言い換えてみてください。


「なにが、邪魔をしていると考えられる?」

「なにが、弊害になっている?」

「なにが、不安の理由になっている?」


これらのフレーズの場合、「やろうとしている」スタッフのスタンスを認めています。「やろうとしているよね、でも、なにかが邪魔をしている。よかったら、一緒にそれを取りのぞこうよ」という働きかけです。

スタッフから見れば、前者の場合は、店長が向こう岸にいます。後者の例では、同じ岸辺に立っているように感じます。勇気、やる気につながるのは、もちろん後者の場合です!


4.すぐに答えを出す


なんでも店長が答えを出してしまうと、スタッフは、すぐに店長に聞けばいいと間違った学習をしてしまいます。

まず、素直にスタッフの考えを「聞く」こと。そして、答えやすい質問を返してあげてください。


「その行動を起こすときに、弊害になりそうなこと、不安なことはありますか?」

「私が、サポートした方が良いことは、何かありますか?」


掘下げる、広げる、さらに考えるという導きを心がけましょう。


書き手:藤永 幸一
20年のアパレル体験で痛感したこと=仕事の悩みは、本当のところ、「人間関係」。2000年に、「レックス」を設立。「仕事を楽しむスキル」を学んで、「元気な現場」をつくるサポートをスタート。


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