24年春物でスプリングアウターが増えてきた。各社とも春コートは長年にわたって減らし、企画数もわずかに残す程度だった。しかし、暖冬で防寒コートを縮小し早期に切り上げる傾向が強まった。春になりきらない3月までのアウターの少なさが〝穴〟になり始めた結果、販売期間の短さをカバーする工夫が目立ってきた。
(武田学)
「レキップ」(ビギ)が企画したのはヒップが隠れる丈のフーデッドブルゾン。ポリエステルの薄手の接結二重織を使い、上品な光沢や膨らみ感があり、表面の微妙なしわもポイント。オンでもオフでも着られ、カジュアルになりすぎないアウターだ。税込み7万4800円。
「タバサ」(パパス)は〝コート〟として着用できるジャケットとベストのセットアップを出す。ブランドとしては「スリーウェイコート」として打ち出し、フード付きジャケット、前開きのロングベストを合わせるとコート風になり、単品でも着回せるフレキシブルさで長く着られる。緯糸にリサイクルナイロンを使用したタッサーで、コットン風でナチュラルなドライタッチの風合いを出した。ヘムや襟元にドローストリングを施し、ふんわりとしたシルエットの変化も楽しめる。昨年、人気になった形状で、来春企画として再度打ち出す。アニス(黄緑)、カーキ、グレー、黒。6万9300円。