スパイバー(山形県鶴岡市、関山和秀取締役兼代表執行役)は人工たんぱく質素材「ブリュード・プロテイン」(BP)で初の量産工場をタイに設置し、昨年夏から本格稼働した。培養の基本技術は確立していたが、スケールアップの過程は苦労の連続。これまでなかったサステイナブル(持続可能な)素材を世に広めるという未知の挑戦が続く。
(中村恵生)
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バンコクの南東約130キロに位置するラヨーン県の工業団地にスパイバータイ工場はある。BP量産工場の立ち上げ検討にあたって考慮したのは、原料調達のしやすさ、インフラ、税優遇などの利点、人材。タイはBPの原料となる糖の有数の生産国で、インフラ面は多数の日系企業で試され済み。タイ投資委員会(BOI)から熱烈な誘致も受け、様々な恩典を受けられる「BOIプラス」に認定されたのも大きかった。
バイオテクノロジーを使ったBPの製造は労働集約型工場とは異なり、初のプラントを共に立ち上げる人材を必要とした。〝タイの東大〟と言われるチュラロンコン大や、同じく名門のカセサート大などでバイオ研究も盛んで、実際にこうした大学でバイオを学んだ人材も入社した。
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