スパイバー(山形県鶴岡市、関山和秀取締役兼代表執行役)は人工たんぱく質素材「ブリュード・プロテイン」(BP)の事業化へ大きく前進している。タイのBP発酵プラントが昨年、量産を始めたのと並行し、国内外の紡績やテキスタイルメーカーとのサプライチェーンを強化している。アパレルでは今年ゴールドウインが初めて量産品の販売を始めたのに続き、TSIホールディングスも採用する。
(中村恵生)
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紡糸能力を拡大
BPは微生物発酵、遺伝子組み換え、たんぱく質の設計などバイオテクノロジーを融合して作り出した人工たんぱく質素材。スパイバーは、この新しい素材の社会実装を目指して07年に関山代表が設立したベンチャーで、16年越しで量産ベースの販売が始まった。
生産面で大きな契機となったのが、タイ・ラヨン県に設置した初のBP量産工場の稼働だ。当初の21年稼働予定からコロナ禍で遅れたものの、昨年7月から量産に入り、鶴岡の紡糸能力も引き上げて短繊維の生産を拡大している。
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